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『bridge』に掲載されたイエロー・モンキー解散 メンバー独占インタビューを読みました。 ええと、よかったです。うん、ほんとよかった。 内容は笑っちゃうほどぶっちゃけてますけど、 ホームページでのコメントだけじゃ圧倒的に説明足らずだったし、 こういうふうに全員がちゃんと語ったことに意味があると思うし、 インタビュアーは渋谷さん以外ありえないと思いますし。 ここでひとつ“解散”を打ち出さなきゃなんにも始まらないことも、 やっとここでわかってきました。 バンドもスタッフもファンも誰もかれもが“解散”なんてわかってたけど、 わかってたのに実際発表される(する)と、とんでもない喪失感に襲われたという話。 まぁ、そのファンのひとりが、まんまと私なんですけど。 突然解散が発表されて、すっかり取り乱して、 ふざけるな、もう二度と聴くもんかって思ったし、 私のなかのイエロー・モンキーは死んだってはっきり思ったし、 もう必要ないとも思った。 いまさら気持ちを乱されることにすごくとまどったんですね。 26歳にもなってどうでしょう、この鮮やかな取り乱し具合。 というかね、活動中から何度思ったことか。 なんで私のいちばん好きなバンドは ミッシェルやブランキーじゃないんだろう、 どうしてこんなにカッコ悪いバンドなんだろう、 あげくに尻すぼみで何年も宙ぶらりんな放置状態だったのに、 どうして最後まで、こんなにグダグダなんだろうって。 それでもやっぱり、好きで好きで気になってしかたないのは、 私にとってこのバンドはそれだけの魅力があるからなんだし、 そりゃぁ外から見たら気味の悪いバンドだなぁとも思いますね。 でも実は、今回のインタビューを読む前に 私のなかで“イエロー・モンキー解禁事件”っていうのがあったんです。 8月にサンフランシスコに行ったときの話なんですけど。 私、めったに飛行機に乗らないので、乗るたびにいつも 人生観変わるかもって思うほどテンション上がっちゃうんですよ。 隣には友人がいて、SF空港ではもうひとりの友人が待ってて、 サンフランシスコの赤い土が見えてきて、 空が真っ青で、東京とはまったく違う街並みが見えて、 こんなに楽しい瞬間は、そうはないなって思ったんですよ。 そんで飛行機がゆっくりと高度を下げていく途中、 “あー!なんて楽しいのかしらー!”って感情が沸点に達した瞬間、 「FATHER」って言う曲が頭のなかに流れちゃったんですよね。 そりゃーもう自然にね。 こんな歌です。 気絶するほど遠くまで来た 見た事もない景色に僕はクラクラさ 満ち足りてる とりあえず今は 異国の大空の下でロックンロール たぶん単純に“異国の大空の下で”って歌詞があるから 何気なく思い出しちゃったんだと思うんですけど。 最高に楽しくて気分がハイになった瞬間に 頭のなかのプレーヤーの再生ボタンが押されて、 サーッと頭の中で流れ出しちゃったんです。 悔しいけど、CDを聴くとか聴かないとかいう意思の前に、 あっさり“解禁”ですよ。いくら意地はったってダメ。 「アーティストが生きてても音楽は死ぬ」なーんて あれほど強く思ったけど、 勝手に頭のなかに住んでんだもん。しょーがない。 それに、これから先、たとえCDなんて聴かなくったって、 こんなふうに勝手に流れだしちゃう曲があるって、わかったんです。 きっと季節の変わり目に浮かんじゃう曲があるし、 「むなしいなぁ」とか思ったときに思い出しちゃう曲があるし、 大好きな人と最期のお別れのときには流れ出すだろう曲がある。 それは懐かしい匂いと同じ。しかたないんですね。 だってこれを聴いてたとき、 私は16歳で、17歳で、18歳だったんだもん。 もうあんなふうに音楽を聴くことはないと思うし、 音楽に限らず、あれほど何かに夢中になることはないと思う。 やっぱり特別な時期に出会ったものなんだと思います。 2001年1月、東京ドームでの解散ライヴからの帰り道、 思い浮かんだ言葉は、 「ありがとう」と「さようなら」と「また会おう」だけでした。 それを今、また改めて思います。 そうだなぁ。また会えたらいいね。 でも、もし二度と出会えなくても、なんとかやっていくと思うな。 私も大人になれるかなぁ。 #
by reiko.tsuzura
| 2004-10-02 22:47
| 音楽
最近おもしろかったサイトのお話。 「まぐまぐジュニア」の「おしえておとな」というコーナーです。 「東大に入って、総理大臣になりたい」という小学6年生の質問に、 オトナたちが答えてます。 まぁどこまで本当なのかわかりませんが、 とりあえず私がブッ飛んだ答え。 高校のときにがんばって勉強すれば誰でも東大に入れます。 私(わたし)は1日13時間、3年間毎日欠かさず勉強して 現役(げんえき)で東大に入りました。 ええー! 毎日13時間!? そうだったのか……毎日13時間勉強すれば東大に…… (ガックリ) ちなみに私も答えを考えてみようと思いましたが、 冷静に考えて、東大なんて入ったことも入ろうとしたこともないので、わからんです。 とりあえず受験勉強してて、 「あ、こりゃ東大っていうか国立は完全に無理だな、 だって理系がひとつも理解できないもんな」って悟ったことはあるので、 「東大に入れるか入れないかは、自分でわかる」ということだけ答えられます。 まぁ私が1日に13時間できることって、寝ることくらいですね。 頭痛くなるけど。 このほかのトピックもなかなかおもしろいです。 「ぶつだんのある部屋に閉じ込められました。どうすれば仕返しができますか」 という相談に対して、 「子供(こども)のとき、同じ経験(けいけん)があります。 私は、覚えてないのですが、だれかと楽しそうにおしゃべりしていたそうです。 (中略)ぶつだんのおじいさんと話してみたらどうですか?」 って答えてる人とか……。 これ、どこまでマジなコーナーなんだろう? #
by reiko.tsuzura
| 2004-10-01 23:19
| つれづれ
『THE STORIES OF ADVENTURE』 MO’SOME TONEBENDER TRIADに移籍したモーサムの5作目。 “動というより静のアルバム”みたいに言われていますが、 そんなことより私は、なんか「普通じゃない」感じが気になります。 普通じゃないっていうか、まともじゃないっていうか……。 とくに先行シングルだった「アンハッピー・ニューエイジ」とか、 いったい何をどう考えたらこういう音の構成になるのかまったくわからない。 突然声が裏返ったりするのもコワイし、歌詞もちょっとよくわからないし、 調子っぱずれなコーラスも、コードの合ってないピアノも、ぜんぶ変。 そう、とにかくなんか変! 「GREEN&GOLD」でコーラスのタイミングをずらしてるのもわかんないし、 「レノンレノン」でなんでいきなりアコギ弾き語りなのかもわかんない。 しかもメロディがすごく優しくてきれいだから、余計にたちが悪い。 全編、絶叫しまくり音歪みまくりの「NO WAY CITY」のような曲のほうが よっぽど安心できるんですよ……。 最後に収録されてる「It's Me」は 今年聴いた曲のなかで、いちばん美しい曲かもしれない。 この夏のフジロックで聴いたこと、今もくっきりと思い出せます。 言葉は嫌いだよ 名前は嫌いだよ 時間は嫌いだよ 感じることはやめない ここにいるよ (「It's Me」) 詩人だねぇ。ロマンだなぁ。 #
by reiko.tsuzura
| 2004-09-30 23:47
| 音楽
日曜日は、美輪明宏音楽会「愛」@パルコ劇場に行ってきました。 いやー、すごかった。まずロビーがすごかった。 花、花、華、華! 超豪華著名人たちからの絢爛たる花々に埋めつくされて、 あんまりお花に面識のない私は、思わずむせかえりました。 (ちなみに刈谷崎省吾からは観たこともないような濃い紫色の蘭が…) 美輪さまのお芝居は二度観たことがあります。 高校生のときに『毛皮のマリー』、大学生のときに『黒蜥蜴』。 基本的に私は、この人の歌やお芝居は、完璧なる“芸”だと思ってます。 というのも、ほとんどすべてのエンターテイメントには、 どこかにほんのちょっぴり“隙”があると思うんですよ。 それは“甘さ”といってもいいんですが、なんというか リアルライフに入り込んで、関わってくるときがある。 たとえばある歌に励まされたりとか、自分の人生に投影できたりとか。 私はロックやポップスは、そういうものだと思ってるし、 その“隙”が愛すべきウィーク・ポイントだと思ってます。 でも完璧な“芸”は、幕が上がっているときだけは 甘くて、夢みたいに美しくて、違う世界を見せてくれるけど、 幕が下りた瞬間、シャボン玉みたいにすべてが消える。 そういう残酷で冷たいものだと思うのです。 その舞台をいつか思い出すことがあっても、 それが自分を救ってくれたりすることは、絶対にないと思う。 美輪明宏の芸は、そういう容赦ない感じがするんですよね。 だから、あんまり間に受けちゃいけないと思ってるんです。 とまぁ、私は彼女の舞台はそんな距離を取って観ているんですが、 幕が上がってからはしっかり楽しんできました。 構成は、前半が唱歌や歌謡曲で、後半がシャンソン。 2時間半の長丁場で、トーク(お説教?)もたっぷり。 でもいい話ばっかりじゃなくて、すごく俗っぽいことも言うし、 わけのわからん摩訶不思議なことも言うし、人の悪口も言うし。 そういうさじ加減がすごく好き。 それに何がすごいって、たとえばシャンソンを歌う前に 歌の物語をひとりで演じるんですけど、 そりゃーもうリアルで『ガラスの仮面』の世界なんですよ。 演じるというより、次々と別人格が降りてくる感じ。 もともと霊感とかゼロな私ですら、 なんか見るちゃいけないものとか見えてきそうな気に…… なんだか空恐ろしかったです。 そして幕が下りたあとに、美しい身のこなしで 抱えきれないほどの花束を貰う美輪さまを観ながら、 「あぁ私の人生を千年分足しても、今日この人が貰ったお花の量には勝てないわ…」 ってしみじみ思いました。 すごいなぁ、あんなにお花を貰う人生って。 しょせんこの人が背負う世界は 私にはあんまり関係のない“芸”の世界だと思いつつも、 やっぱり美輪明宏は、人間国宝級の存在感なのでした。 #
by reiko.tsuzura
| 2004-09-28 01:01
| 音楽
映画『きょうのできごと』を観ました。 友達の引っ越し祝いに集まった仲間たち。 ビルの間に挟まって動けなくなった男。 座礁したクジラのニュース。 そんなできごとが起こった何気ない一日を描いた作品です。 監督は『GO』の行定勲。 DVDを貸してくれた人に「つっまんないよ~!」と 言われてたんですが、正直、確かにおもしろくなかったです。 悪い映画じゃないんだけど、おもしろくない。 「なにもない」ところに「なにかある」というテーマはわかるんだけど、 なーんかスベってる感じ。 セリフはところどころ、すごくいいんですよ。笑えるシーンもあったし。 とくにビルに挟まれたあげく顔に鳩のフンを落とされる男役の大倉孝二とか、 モテなくて逆ギレする男役の三浦誠己とか (メタリカTシャツにアーミーパンツじゃそりゃーモテないよ)。 でもなんか、こういう映画を撮るには、 監督がマジメすぎるんじゃないでしょうか。 なんかねー、こう「なんにもない一日を撮るぞ! そしてここには絶対“なにかある”んだ!」って感じが どうにも透けて見えてきちゃって、興ざめしちゃうんですよね……。 “なんにもない”って、すごーくおいしいテーマだと思うけど、 それを表現するのは難しいし、めちゃめちゃ危険。 この映画は、その穴にスポッと落ちちゃった感じがします。 どのツボにもハマらず、かといって「ダメ!」でもない。 これなら、ドキュメンタリー・タッチを観たいなら是枝監督の観るし、 しみじみ笑いたいなら石井克人監督の観るし、って感じ。 そんなもったいない映画でした。 あ、でも伊藤歩がめっちゃかわいかったですよ。 彼女は口の形がかわいいんだなぁ。 池脇千鶴はひとり貫禄。 そしてブッキーは残念ながら精彩に欠けてました。 原作を読んでみたいな。 #
by reiko.tsuzura
| 2004-09-25 21:30
| 映画
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