ツヅラレイコ オンガクセイカツ
2021-04-22T16:46:30+09:00
reiko.tsuzura
オンガクセイカツblog版
Excite Blog
ドレスコーズ@中野サンプラザ
http://tsuzura.exblog.jp/30476023/
2021-04-01T11:10:00+09:00
2021-04-22T16:46:30+09:00
2021-04-01T11:10:26+09:00
reiko.tsuzura
音楽
幕が開いて音が出た瞬間、泣けましたね。なんの涙なのか自分でもよくわからないけど、まるまる2曲分泣いてた。自分が思う以上に自粛疲れがたまってたのか、もうライヴ行けないかもという不安が薄れてホッとしたのか、単純にいい音〜これこれ〜!と思ったのか。私だけじゃなく、まわりの人も同じような感じでした。おかげで頭2曲の記憶があんまりない。マリーズメジャーデビュー作からのおいしい選曲だったのに!
今回は志磨遼平デビュー10周年ということで(1年延びたけど)、毛皮のマリーズ〜ドレスコーズでやった10年分の曲を、いろんなミュージシャンが入れ替わり立ち替わり演奏するスタイル。豪華でしたねー。BAWDIESにおとぎ話、ウエノコウジさんに有島コレスケさんに、竹中直人さんまで出てきた(「みずいろ」をムンムンのムード歌謡調に歌った)。志磨さんが歴代組んで別れたバンドメンバーが同じ舞台に立つ光景は、元カレたちが一緒にキッチンに立ってる(?)みたいな感じでムズムズするんだけど、それをできちゃうのが志磨さんなんだなあと。志磨さんが幕間に読んだ詩の中で「150人のミュージシャンと30のバンドを組んだ」と言ってたけど、アレもコレも作って壊してやりたい放題で、それでも周囲に愛されてるのって、ほんとに生粋の人たらしなんだと思います。
とにかく人数が多いしセットも変わるので、転換に時間がかかる。その転換の間に志磨さんやバンドメンバーが10年の思い出話をしたりして、この時間も生ライヴだな〜って懐かしく思いました。あとやっぱり音ね。音だよね。子育てに追われて、ひとりになってからのドレスコーズの生ライヴを全部見逃してるので、10年を一気に辿るような構成はすごくありがたかったです。おとぎ話の牛尾健太さん、めっちゃいい音出すなあ。「メロウゴールド」のギターソロ染みたわ〜!こうして生を一発聴いてから改めて音源を聴き返すと、急に色が付いた感じに聞こえるのが不思議。
本編ラストは出演者全員を舞台に上げて賑やかに終わって、アンコールはアコギ1本で「ピーター・アイヴァース」。去年タワレコでやった10周年ポスター「ドレスコーズは、バンドである。ドレスコーズは、みなひとりである。」にあわせた演出ですね。スポットライトを浴びてひとり歌う志磨さんの後ろで、たくさんのスタッフが静かに機材を撤収していきました。以前なら粋な演出だね〜と思って終わりだったかもしれないけど、コロナの今はさらに感じるものがあって。暗い舞台で黙々と手早く撤収していくスタッフたちのムダのない動き、最後の1人がケーブルをクルクルまとめて引き上げて、歌う志磨さんをポツンと1人舞台に残すタイミングまで完璧で感動しました。なにしろパーカッション/ドラムセットが3つあって、ものすごい機材の量だったんだから! やっぱライヴってたくさんの人に支えられてできるもの。ライトも音響も人の誘導も、会場手配や出演者のスケジューリングとか、たくさんの人がいろんな場面を支えてこのステージはできてるんだよなって思いました。そこまで意図した演出だったのかはわからないけど、これはコロナの今こそ感じることだったと思う。最後にバミリのテープ跡が無数に残って、花が散ったみたいでした。
志磨さんたちがこの10年の思い出話をしてたので、私も思い出話をひとつ。10年前の冬のこと。妊娠初期だった私は毛皮のマリーズのライヴに行って、アンコール直前に出血→切迫流産で2週間の絶対安静になったのでした。いや、妊娠がわかったときに先生に「どう過ごせばいいですか」って聞いたら「いつも通りでいいよ」って言われたんですよね。ライヴに行くのが私のいつも通りだったもんで…。あのとき豆つぶみたいな子が腹の中でふんばってくれなかったら今の9歳さんはいなかったわけで、ほんとに人生は紙一重。今日にたどり着けてよかった、と思う1日でした。
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12月1日の『いだてん』
http://tsuzura.exblog.jp/29821625/
2019-12-13T23:52:00+09:00
2019-12-13T23:52:21+09:00
2019-12-13T23:52:21+09:00
reiko.tsuzura
つれづれ
スポーツはやるのも観るのも興味がないもんで、クドカンドラマだから一応〜なテンションで観てた『いだてん』。強く興味を惹かれだしたのは、関東大震災のあたりでした。震災の話を昔おじいちゃんに聞いた記憶があるんですよね。そのときおじいちゃんはまだ子どもで、親とはぐれちゃって、「火が回るぞ逃げろ!」っていう大人の声と反対に走りだしたらしい。結局その声に導かれた人たちは火にまかれたらしくてね、という話でした。おじいちゃんが亡くなってもう20年以上経つけど、関東大震災の回を観ながらふと思い出して、もしもあのときおじいちゃんが声に従って逃げてたら、私の父も、私も、私の子もいなかったんだな〜と思って。そしたら、えっこれ遠い昔の話じゃないじゃん、自分に直結した話じゃん!といきなり実感がわきました。そこから五・一五事件とか二・二六事件とか教科書で見たあれこれを今までになくリアルな感じで観ちゃったし、ベルリンオリンピックのヒトラーの映像とか、生々しく怖かった。どれもこれも昔話じゃない、おじいちゃんが生きたほんの少し前の時代じゃんねー!と思ったし、ああやっぱり私たちはもっと近代史に触れたほうがいいし、もっといろんな人が描く近代史を観たい、求めなきゃ、と思いました。
3.11の震災以降、ヒドい国に住んでるなあ、子どもに申し訳ないなあという気持ちでずっといるけど、『いだてん』で近代史を辿ると、ずっとそうなんだなあこの国は、と思います。でも、とか、だからこそ、みたいな希望もなくて。ヒドい時代、ヒドい場所で、ショボくてあっけない人生を生きてるなあ、あーあ。みたいな気持ちになるんだけど、『いだてん』には落語があって。私も去年からいきなりハマったにわか落語ファンですけど、落語ってその「あーあ」をおもしろく、「なーんだ昔からそうだったんだ」って気持ちを軽くしてくれるんですよね。自分みたいに何でもない人たちが昔からすったもんだして生きてたんだなー、フフフって思える。同じ「あーあ」なのに、落語は暗黒じゃなくて笑い(笑いだけじゃないけど)に持ってってくれる。そういう文化を生んだ国でもあるんですよね、ここは。そして見回してみれば、自分のまわりには家族がいて友人がいて、興味を惹かれる音楽や映像や読みものがあって、それは決して「あーあ」じゃない。そこを混同しないでいかなきゃな、と思ったりもします。
国のためとか、応援してくれる人のためとかじゃなくて、自分のためにやる、これが私の青春!と言いきった東洋の魔女エピソードもアツかった。「人のために、できますか?」と言ってフッと笑った谷田絹子さん(ご本人映像)めちゃくちゃカッコよかったな。]]>
小2と行くフジロック2019 <ヘブンな3日目>
http://tsuzura.exblog.jp/29616605/
2019-08-31T11:52:00+09:00
2019-08-31T12:02:18+09:00
2019-08-31T11:52:41+09:00
reiko.tsuzura
音楽
天気に恵まれた3日目は人の入りもそこそこで過ごしやすく、超楽しかった。「今年も辛かったろ? ほーらご褒美だ」と苗場の空に言われてる気がしつつ、いろんなライヴを堪能しました。レストランが集まったOASISエリアで「もしフレディ・マーキュリーがレストランをやったら…?」というストーリー仕立ての大道芸を爆笑しながら見てたら、この日いちばん楽しみにしてたヒョゴを半分見逃すという、フジあるあるもやらかしました。ホワイトまで本気で走った〜! そして走る甲斐のあるステージでした。
フレディ降臨!
その間、子はグリーンでもうひとつの本命、Superflyを観てました。あとで合流して「どうだった? 歌上手だった?」と聞くと、いまひとつなテンション。「上手だったけど、なんかテレビで観るのと同じだった」という感想でした。なるほど、そういうこともあるね。それも生を観たリアルな感想。母ちゃんもそういう経験いっぱいあるわー。
その後、私はホワイトのKOHHへ。脳天にビリビリくる低音と鬼気迫るパフォーマンスに立ち尽くすしかなくて、さっきまで子と大道芸を観てゲラゲラ笑ってた時間とはあまりに落差の激しい強烈な体験でした。とにかく音圧がすごくて、それがゴリッと塊になって聴こえるのもホワイトステージならでは。これまで観た中でも一、二を争う凶暴な音でした。KOHHの繰り出す言葉は、ふだん母ちゃん業やってる身からすると耳を塞ぎたくなるような強烈なものだけど、同時に、これはすぐ隣にある話かもしれないと思わせる生々しさがあって。あ、ヤバイ場所に入り込んだな、という背筋の寒くなるステージでした。
これは世界最高峰のショーだと実感させてくれた初日のジャネール・モネイと、最後に祭り気分を吹っ飛ばしてくれたKOHH。このふたつのステージは、やはりフジで観てこその規模と迫力で、ここに来なければ体感できないものだったと思います。日々視野が狭くなる(気がする)母ちゃん業をやってる身としては、普段観られない世界を見て、視界を広げるのがフジに来るひとつの目的で、今回もそれをがっつり体感できた。なのでまた私はフジに行きます。マナー問題とか豪雨とかいろいろあるけど、やっぱりここでしかできないことがあるんだよね。
すごい情熱でSIAを観たがる子を見たのもおもしろい経験でした。まあ子のブームは1ヶ月単位で過ぎ去っていくので、SIAを観たこともすぐ忘れちゃうかもしれないけど、親の私は忘れないでしょう。
そういえば子はよくSIAのミュージックを観てるので、てっきりマディちゃん(ステージで踊る少女)のダンスに惹かれてるんだと思ってたんですね。だから「ライヴで生のダンスが見れてよかったねえ」と言ったら、「いや、もっとSIAが観たかったんだよねえ」と言ってました(SIA自身はステージ脇でほとんど動かず歌っていて、スクリーンにもほとんど映らなかった)。え、そうなん?と思い、改めてシーアのどこが好きなのか聞いてみたら、「いちばんは顔。まあ半分見えないけど。あと、大きいリボン」って……まさかのルックスでした。 夏休みも超あやふやな英語で歌いながら、SIAの絵を描き、お面を作ってた。言われてみれば鬼太郎とキティちゃんを足して割ったようなキャラに見えないこともない……? 子どもの感覚っておもしろいですね。
子がいちばん好きなビデオ。
そして最後に、小2はフジを楽しめるか、に対しての我が家の結論。観たいアクトがあればめっちゃ楽しめます。大人も子どももおんなじですね。 なぜか風呂場の入り口にいるSIA。
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小2と行くフジロック2019 <嵐の2日目>
http://tsuzura.exblog.jp/29616595/
2019-08-31T11:47:00+09:00
2019-08-31T11:47:45+09:00
2019-08-31T11:47:13+09:00
reiko.tsuzura
音楽
フジロック2日目は天気が荒れると聞いていたので、昼前からゆっくりめのスタート。車を降りたらさっそくそこそこ降りだして、萎えるわ〜となりました。2日で帰るならある程度腹をくくって楽しむところだけど、3日目もあるので無理は禁物。雨で移動もままならず、ずっとグリーンにいました。そこでなんとなく観たCAKEがとてもよかった。いいメロディ、安定した演奏、肩の力が抜けた、それでいて緩むことのないテンション。雨だからじっくり観ることになり、じっくり観たから気づけた魅力。いい出会いでした。
CAKE終わりから雨が本降りになり、だんだんシャレにならない感じに。豪雨に打たれつつアジカンを観て、しまいにはビニールシートを被って雨をしのぎました。容赦なく降る雨で、気づけばレインスーツの中もずぶ濡れ。なぜか長靴の中もタポタポ。今回悟ったんですけど、どんなにがんばって防水したところで、本気の雨には負けます。これはもうどうしようもない。さすがに帰ろうか……という話をしたら、子が「えーーっ、SIA観たい! 楽しみにしてたのに!!」と。まあそうよね、ずっとそのために耐えてきたんだもんね……。しかしこの雨はヤバい、ということで、ひとまずプライオリティテントに避難させてもらいました(ほんとは未就学児まで)。
テントで子どもを着替えさせ、完全に浸水したポンチョから予備のレインコートにチェンジ。子どもの分はたまたまポンチョとレインコートを2種類持っていたのですが、これに救われました。苗場の夜って昔はぐっと冷えたけど、温暖化が進んだのか、いまはそんなに気温が下がらないんですね。だから大人は濡れてもまあ耐えられるけど、子どもは低体温症が怖い(大人でもテント泊の人とか、あんまり長時間になると危険みたい)。服を着替えてもレインコートが濡れてると冷えちゃうので、できれば防水着も替えがあるといいと思いました。でもトイレとか行くとレインコートから水がつたって、結局どうしたって濡れるんだけどね。
テントに叩きつけられる雨音にビビりながら、気づけばテント内の足元も山から流れ込む雨水により沼状態、さらに小さな川のようになってきました。帰るに帰れない大雨で、テント内の親たちも困り顔。どのタイミングで帰るか……とみんな真剣に話し合ってた。でもマーティン・ギャリックスが始まり、ぶっといビートが鳴り響いた最初の一瞬だけ、真顔だった親たちがウェーイ!ってつい盛り上がっちゃったのにはウケました。
ウェーイ!ってなった瞬間。
そして雨に耐え、待ちに待ったSIA。子は豪雨のなか、すごい集中力で観てました。ダンサーの生パフォーマンスとスクリーンが連動したステージだったので、もう少し前で観られたらな……と思ったけど、あの大雨の中じゃ観れただけで御の字。どんだけひどい降りだったかというと、今そのときのステージを思い出すと、聴いた音の半分が雨の音で、視界もほとんど雨なんですよ。でも子によると、イヤーマフが雨の音をカットして、歌はよく聞こえたそうです。イヤーマフにそんな効用が……?
じーっとステージを見つめる子と手をつないで観たSIAのステージは、たぶん一生忘れない。満足したら帰ろうと言ってあったので、約半分観たところで子が帰ると言い、22時過ぎに会場を後にしました。もっと観たかったけど、雨が怖かったらしい。帰り道も信じられない豪雨で、深夜には交通規制もあったほどなので、ここが限界でした。またもや寝るのは深夜になりましたが、子は「あーSIA見れてよかったー!」と言って寝ました。うん、よかった。
2日目の深夜は、あの雨を目の当たりにし、さらにネットに上がったテントサイトの冠水を見て、正直3日目の開催は無理じゃないかと思ってました。それくらい今年の雨はすごかった。でも起きたら天気がよくて、濡れたものをなんとか乾かして会場に向かったら、ほとんど復活してた。何もなかったように……とまではいかないけど、いつものフジロックらしい、まったりとした最終日が始まってました。これはすごい、20年以上経ち、運営もいろんなトラブルに対応できる力を備えてるんだなと思いました。夜を徹して整備や安全確保に奔走したスタッフたち、リスペクト。
テントサイトの状況は、このサイトに詳しく書かれていました。
今回ブログに残そうと思ったのも、このサイトを読んだのがひとつのきっかけです。中から観た景色を書いておこうと思った。次の夏、子連れでフェス行くかどうしようかな〜って迷った人が、「フジロック完全水没」みたいなイメージに惑わされず、アクセスしてくれるといいなと思って。豪雨のフェスはまあツラい。子連れならなおさら心配事も多い。でもその場に立ったら、どうにかするし、なんとかなる。その努力に見合うだけの楽しさもあるよ。時間が経ったら自分も忘れてしまいそうなので、そこはしっかり書いておきます。 豪雨の中でなすすべもない人々。
晴れてればキッズランドもこんなに楽しい。そう、晴れていれば……。
<3日目に続く>]]>
小2と行くフジロック2019 <準備〜嵐の前の1日目>
http://tsuzura.exblog.jp/29616577/
2019-08-31T11:39:00+09:00
2019-08-31T11:39:08+09:00
2019-08-31T11:39:08+09:00
reiko.tsuzura
音楽
今年も子どもとFUJI ROCK FESTIVALへ行ってきました。今年は(今年も)豪雨に見舞われたり、開催後はマナーの悪化が話題になったり、毎年のことですがネットで「子連れで来んな」という声も見かけました。実際のところ小学2年生くらいの子はフジロックを楽しめるのか? そこはもちろんケースバイケースですが、ここでは、うちはこうなったよってことを個人的な親目線で書きたいと思います。フェス行きたいけど子どもいるし、どうしたもんかな……と思ってる人の参考になればうれしいです。
うちは子どもが2、3、5、7歳のときにフジに行ってます。出産するまでは当然のように毎年行ってたけど、子が産まれるとそうもいかず。去年、小1のときは学校の行事日程が見えず断念しました。これから子の予定も増えるだろうし、来年以降も行けるかどうか。だからこそ今年は3日間フルで行くぜ!……とはりきったわけではなく、もともとは「ケミカルがデカいセットで来るらしいから、サクッと親だけ日帰りで行こうかな」という軽いノリでした。で、子に「父母はフジに行くけど、どうする? じじばばの家に泊まりに行く?」と聞いたら(じじばば宅に泊まるの大好き)、「え? 私もフジに行くけど?」と行く気満々。そうか、それなら泊まりだなということになりました。子がいると親も日中あんまり休めないので、寝ずに車で帰るのは危険なんですよね。
そこで宿を探したところ……これがどこも予約でいっぱい! ゴールデンウィーク前の時点で、いつも泊まってる猿ヶ京の温泉宿も、その付近一帯の宿も全滅。どうやら前年、数々のテントが舞ったという暴風雨の影響で、宿を探す人が増えたらしいです。なんとか探しあてたのが、3泊4日のみ受け付けているところ。とりあえずそこを予約しておいて、あとで考えよう……と思ってたら岩盤で先割チケット売ってるよ〜という情報が入り、岩盤に行ったら「たぶん今なら場内の駐車券が取れますよ」と言われて3日通し券お買い上げ〜。親ふたり分と駐車券あわせて、先得価格でも10万円近くしてビビりました。チケットだけでこの値段だもん、そりゃ若い子は行きにくいよな。
そんな流れで、初の子連れフル参加となった今年。苗場でけっこう辛い目(豪雨とか雷雨とか)にも合ってるのに、遊びに関してはオールウェイズ前向きなうちの子、ずっと「フジロック楽しみだなー!」と言ってました。親としては準備で気が重いんだけどね。しかも直前に台風発生とな! 1週間前から天気アプリを毎日チェックしながら、豪雨前提で荷詰めを始めました。
荷物は、なにはともあれ子の着替え。1セットずつ真空パックして、3日間で10セット以上。タオルも現地用、車に置いておく用、宿で使う用と、くさるほど用意しました。それでもオムツがなくなっただけ、だいぶん身軽になった。食べものだって現地の屋台でいけるしね。
今年気をつけた、着るもののポイント。・ダニ防止のため、女子の場合、ボトムはショートパンツやガウチョとかではなく、足にぴったりした長ズボンかスパッツ。・暑くなったり寒くなったりするので、上は半袖と長袖を用意。雨に濡れたら着替えにもなるし、寒くなったら長袖を重ね着。・下着上下、着替え上下、靴下を1セットにして、とにかく防水のため密封!それ持ってテントに着替えに行けるよう、現地に2〜3セット持っていく。
子のほうは「フジロックって誰が出るの〜?」と言いながらApple Musicをチェックしてたら、突然SIAにどハマりして、毎日ヘヴィーローテーションしておりました。そして「フジで観たいのは、SIAとSuperfly、あとガラキーポン!」と宣言。ガラキーポン=Got to Keep On、つまりケミカル・ブラザーズのことです。ちなみにケミカルは初日、SIAは2日目のヘッドライナーなので、出番は21時過ぎてから。いつもの子の就寝時間(目標)から本番が始まるわけです。終わりが23時として、そこからいくら急いでも宿に戻るのは確実に日付を越える。「体力もつんかね……」と不安な親をよそに、子は「余裕っしょ!」と公認夜更かしにテンションMAX! 結局、夜中1時すぎに寝て、日中もたいして休まず、元気に過ごしました。確実に母より体力ある。
ガラキーポン!
初日は小雨も降りましたが、曇天で過ごしやすい天候。私はジャネール・モネイのステージに胸を射抜かれました。指先まで完璧に魅力的な、世界最高峰のエンターテイメント・ショー。カッコよくて美しくて、チャーミング。自分が自分であることを誇り、自分とは違う人を認めあいながら生きようというメッセージを、しかと受けとめました。このステージを観ただけで3日間分の意義があったと思った。ガラキーポンも新作を軸にした大満足のセットで、子もVJを楽しんでました。やっぱ新作の音源がいいって、最高よね。あとレッド・マーキーのORIGINAL LOVEもよかったんだけど、マーキーというステージが子に不評。狭いし混んでる、ステージもVJも見えない、テントなので音が膨張してうるさい(イヤーマフだと誇張されるっぽい)という三重苦で、超つまんないって。これは今までなかった反応でした。
<2日目に続く>
入場ゲートで付けてもらったキッズ用リストバンド(中学生以下は入場無料)、ジープのブースでもらったバッグ、コスメのブースで塗ってもらったネイル。水筒もっていけば象印のブースでお茶ももらえるよ!
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すごいよ『あしながおじさん』
http://tsuzura.exblog.jp/29416690/
2019-05-12T00:06:00+09:00
2019-05-12T00:06:37+09:00
2019-05-12T00:06:37+09:00
reiko.tsuzura
本
ヒロインのジュディがおてんばだった記憶はあるけど、記憶よりもずっと聡明でお茶目で皮肉屋で、学びと経験とともに一人の女性として自立していく物語だったってことに、今回初めて気づけました。その自立を妨げないよう、卒業まで自制心をもって沈黙し続けた「あしながおじさん」、いい男じゃん!速水真澄ばりに脇甘いけど!
明らかに「謎のおじさん=途中でジュディといい感じになる男」ってわかるベタなフラグの立て方とか、ほんとに今の小説やマンガに使われてる型がここにあるんだなあと思いました。それを地の文の説明なしに、女子のとりとめもない語り口調で描くというすごさ。さらに、そこに当時の時代背景を的確に落とし込むというすごさ。100年以上たっても余裕で古びない。名作ってすごい。
あとがき(上智大学文学部教授の松本朗さん)もすごいおもしろくて、『あしながおじさん』はもともと児童文学ではなくて、当時の中流階級向けの主婦雑誌に連載されたものだったんですって。それで、「魅惑的な商品が陳列された一種の広告としても読まれた可能性があるのではないか」と。多くの女性たちがジュディの目を通してハイファッションや英文学や社会問題に興味を持ち、自分でも触れていったかもしれないっていう推論ですけど、いやーあったでしょ、それ! 松本さんは「主婦の雑誌が有する力を侮ってはならない。消費をする主婦が持つ社会的な力は、社会の変革に繋がりうるのである」と書かれてるけど、私もそう思う。女性のミーハーなパワーとか妄想力って確かにすごいもんがあると自分でも思ってるところ。10代のころもすごかったけど、意外とこれが40になっても衰えないんですよね。最近はね、生田斗真はやっぱりいいなあと思ってるとこw
話ズレましたが、消費を肯定してるっていうのがいいじゃないですか。しかもジュディはある程度消費の快楽を楽しみつつ、流されない賢さもある。ビッグウェーブに乗れない人生もつまんないし、ビッグウェーブに飲まれちゃう人生もつまんないって思うんですよ(今だとSNSとかね)。ジュディの場合は、小説家になることと、自分好みの孤児院をつくるっていう自分なりの使命があって、それが楽しくて忙しいから他の誘惑とのバランスが取れる。それっていい感じの生き方だよなあ。
でもやっぱこの小説を最初に読んだ少女時代には、そんなことに気づけるわけもなかったし、気づかなくていいと思う。読む年齢によって印象が変わるっていうのが、『あしながおじさん』の超すごいところなんだと思います。
あと訳者の土屋さんのあとがきに書いてあった、ジュディのいう「あしながグモ」(Daddy Longlegs)は、ザトウムシもしくはガガンボっていうのが衝撃でした。日本で最初の翻訳本は『蚊とんぼスミス』だったって。ガガンボおじさんだったらきっと読み継がれてないよね……和訳タイトルだいじ!!
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「電気グルーヴのCDおよび映像商品の出荷停止、在庫回収、配信停止」という対応に反対します。
http://tsuzura.exblog.jp/29310487/
2019-03-15T10:42:00+09:00
2019-03-15T10:42:58+09:00
2019-03-15T10:42:58+09:00
reiko.tsuzura
音楽
「ピエール瀧の逮捕に伴うソニー・ミュージックレーベルズの対応について」
http://www.denkigroove.com/info/archive/?504907
昨日の夜、Apple Musicから消えていく音源をあ然としながら眺めてました。ここ数日くそムカつくことばっかりだったけど、これに関してはムカつくうえに悲しい。音源あるから今日も聴くけど。でも、これから電気の音楽に出会う誰かの可能性が消えると思うと悔しい。現場で志と愛情持って働いてる人たちを思うと悔しい。
そしてサブスクで音楽聴くってこういうことなんだなあと、いまさらながら実感しました。私は今サブスクの恩恵を受けまくってるけど、こういう面もあるということ。知らないうちに誰かの手でごっそり奪われちゃうこともあるってこと。
こんなんムカついて眠れねーわとグチってたら、ダンナに「でもそういうこと教えたのが電気っていうのが電気だなって感じするよ。ムカつくけどどっか痛快」と言われて、ああそうかもしれないと思いました。この世の中、軽く地獄みたいなことが頻繁に起こるけど、笑いとばしちゃえば?って教えてくれたのも電気。なんだっていーじゃん、どんな人だって百年後は死んじゃうよ。まさに。
それにしても「出荷停止、在庫回収、配信停止」というのが誰に対して、何に対してなのかまったくわからない。わかる人がいたら説明してほしい。ビジネスコンプライアンス?それってリスナーと作品の関係をぶっ壊していいものなの?逮捕の件は大人なんだから大人として本人が責任取ればいいだけの話で、私が電気グルーヴの音楽やピエール瀧出演映画を聴いて観て受け取ったもの、感じたことは1ミリも変わらないし、これからも作品と接して何かを感じる機会を奪われる筋合いはない。
たくさんの言葉が飛び交うなかで、吐きそうにムカつくことも多いけど、このblock.fmの記事は読んでよかったと思いました。
とくに「音楽文化が持つ背景」という箇所。これは小説とか映画とか、なんでも当てはまる。私たちは一人ひとり、自分の想像力を膨らませて創作物を楽しんでるし、楽しんでいく。音楽や映画や小説を通して、自分の人生だけじゃ到底見られない景色を見て、知ることのない価値観を知って、ちっぽけな世界を広げていく。それがなければ私の人生、半分以上(いやほとんどか)荒涼としたものになったと思う。たくさんの創造物に恩を感じてるし、愛情がある。だから思考を止めないで、その先を想像していかないと。
自分がなにか言ったってなんも変わらないとか言ってるのもいい加減飽きたし、親としてそんな姿勢は子どもにぜったい見せたくないし、なにより超弩級にムカつくので、今日ここに書いておきます。
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雨のパレード「MARCH」と、「じゃないサイド」の私
http://tsuzura.exblog.jp/29219927/
2019-01-26T10:26:00+09:00
2019-01-26T11:13:11+09:00
2019-01-26T10:26:43+09:00
reiko.tsuzura
音楽
雨のパレードの「MARCH」という曲について。2018年3月に出た『Reason of Black Color』の収録曲です。
卒業をモチーフにした、ちょっとノスタルジックな、青春の終わりの始まりを書いたような曲。いい曲だなあと思って聴いてたんですけど、最初のほうにこんなフレーズが出てくるんですね。
大人たちはみんな 僕たちに未来を見せたがる輝く夢 煌めく世界
こういう曲にたくさん共感して育ってきたけど、親になって早7年、私はもう完全に「大人たち」の側。「うん、見せたがるよ未来を。どうにかして見せたいよ」と、この曲の主人公たち「じゃないサイド」で思います。ちょっとおセンチな気分でね。で、そのあとこの曲はこう続きます。
春風が心を急かして僕たちは少しだけ背伸びをしてたんだ
ここでいきなり高揚感のあるサビになる。あ…、あれっ、と思いました。もう話の視点が変わってる。さっきの「大人たちはみんな 僕たちに未来を見せたがる」って話はどこいった? 「未来を見せたがる」ことに対してはどうなの? ウザいの? 「わかってねーな無責任に言いやがって」って感じ? でも今の子ってやさしそうだから「まぁありがたいけどね〜」って感じ?
まーそんな「じゃないサイド」の感情はみごとに置き去りにして、この曲の主人公(たち)は、次のシーンへ走っていっちゃうんです。そのとき、なんとも言えない感情になりました。「未来を見せたがる」大人たちに対して、彼らがどんな感情を抱いてるのか想像もつかない自分がいる、ということに、なにかこうサッパリ寂しい感じがしたんですね。それは嫌な感じじゃなくて、「これもう全然わかんないわー」っていう、まさにサッパリとした不思議な気持ちよさがあって。雨のパレードと同世代の人たちからしてみたら、「え、何がわかんないの?」って感じでしょうね。「まるごとわかるよ」って。
そう、それがわかってた時期が、私にもあるんです。たとえば私は椎名林檎さんと同い年なんだけど、彼女が2000年に出した『勝訴ストリップ』に「虚言癖」という曲があります。その歌い出しが、これ。
しかし何故にこんなにも眼が乾く気がするのかしらね
今でもはっきり思い出せる、このフレーズにまるっと共感したこと。別にドライアイに悩んでたわけじゃないですよ(笑)。なぜこの歌詞が「しかし」から始まるのか、目の乾く感じがどんなか、そのときの感情がどんな感じか。もう全部、生理的にわかる感じがした。そうやって曲にのめり込めた。思い込みだろうが勘違いだろうが、そうやって曲と接していた時期があった。今となっては、「虚言癖」に共感したことだけが思い出せて、目の乾く感じがどんなか、そのときの感情がどんな感じか、その感覚はなくしちゃった。
で、「その感覚はなくしちゃった」ということを、雨のパレードの「MARCH」を聴いて初めて思い知ったんです。これけっこう衝撃の体験でした。おそらく、この感覚が「わからなくなりかけてる」頃に聴いたら、すっごく焦ってただろうなあとも思います。完全になくした今だから、サッパリした気持ちになれたんだろうなあって。
親になって自分の時間が減って(子の成長につれ、ちょっとずつ戻ってきたけど)ポップ・ミュージックと自分の間にものすごい深い溝を感じてた時期もあるんですけど。「もう私たち、住む世界が違いすぎる。終わりにしたほうがいいかも」みたいな気分になってたこともあるんですが(それはつまり私にとっては廃業ということ)。でも、違ったみたい。また視点を変えて感じるものがあるよって数年前の自分に言ってやりたい。ポップ・ミュージックというのはつねに新しく生まれながらそこにあって、細々とでも接していれば、変わっていく自分を知れたりもする。それってけっこうおもしろい体験だよって。
雨のパレードは数日前に、ベースの是永亮祐さんが脱退したそうです。きっと音楽性も変わるだろうな。でも雨のパレードの音楽も、是永さんの音楽も、続いていく。いろんなことが変わりながらポップ・ミュージックは続いていくんだなあ、ということに感動を覚える自分を、ここに残しておきます。
このMVまぶしすぎるやんけー
Reason of Black Color (初回限定盤)雨のパレード/ビクターエンタテインメントundefined
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『分離派の夏』とおじいちゃんの思い出
http://tsuzura.exblog.jp/28271308/
2018-04-27T10:49:00+09:00
2018-04-27T13:27:24+09:00
2018-04-27T10:49:02+09:00
reiko.tsuzura
音楽
で、ここからは超個人的な感想文なんですけどね。
小袋さんは自身の制作を「過去の経験を思い出して、読み解いて、再解釈していく」作業だったと語っています。たとえば「Daydreaming in Guam」という曲では友人の死が語られる。
でも、不思議なことに、小袋さんが自分の経験を自分の視線で語れば語るほど、私は私の経験を思い出すんですよね。
私が『分離派の夏』を聴いて思い出すのは、こんなこと。
あれは10歳くらいだったかな、おじいちゃんと散歩していたときのことです。一緒に歩きながら、ふとおじいちゃんと手をつないでることが恥ずかしくなったんですね。それで、すっと手を離した。
そのあと「ケーキ食べてく?」って聞かれたけど、「ううん、いらない」って答えて帰りました。
なんとなく手を離した瞬間とか、家に帰ってから、おじいちゃんがおばあちゃんに「ケーキ食べる?って聞いたら、いらないって言うんだよ」って話してたのも覚えてます。
この経験を一言でいうなら、成長とか、思春期とか? そんな感じでしょうか。でもなんか、そういう言葉ではかたづけられない何かがある気がするんですよ。だから妙に覚えてる、忘れられないシーンなんだと思います。
普段は忘れてるけど、たまーに、なんとなく思い出すシーンってありますよね。そのエピソードがどれだけインパクトがあるのかっていうのは全然別の話で。むしろ他人が聞いたら「へー」で流しちゃうようなことが、自分にとっては重要だったりもする。
私とおじいちゃんの散歩の1シーン、あれはなんだったのかなあと今も思います。別に、胸が痛む思い出とか、そういうのじゃないんですよ。まあ少しは「悪いかな」って思ったけど、「しょうがないじゃん」とも思ってたし。でもまあ、妙に覚えてるってことは、何か引っかかるものがあったんでしょうね。
子どもを産んで、おじいちゃん(私の父)と遊ぶ姿を見ていると、そのシーンをふと思い出したりもします。今6歳なんで、あと4年であのシーンか、とかね。
そして、つい世代交代ってものを考えちゃいます。
子どもがじじばばと接してるのを見ると、私もおじいちゃんやおばあちゃんに色々してもらったなあ、ということを思い出すし。そのわりには亡くなるとき薄情な孫だったなあ、とか。
それで、順当にいけば自分の親も年老いて死んでいくんだなあ、私もそのうち老いて死んで、いつかは子どもだってこの世から消えて……なんてことを、つらつら思ったりするわけです。
『分離派の夏』を聴いてると、そういうオチのない思いが数珠つなぎで出てきます。それはもう家族でも共有しようのない、超個人的な思い出や感情が沸きだしてくる。
普段はそんなこと考えるヒマもなく、「学校遅刻しちゃうよ!」とか「仕事終わんない」とか「夕飯どうする?」とか、そういうことに追われて毎日過ぎていきますけど。
そういう毎日の中でも、ふと思い出すシーンがある。思い出したからといって、どうというわけでもないけど、手繰っていくと芋ヅル式にニョロニョロと懐かしいアレコレが出てくる。その先に、何か大事なものがあるような、ないような……。
たぶんこれって、考えてもしょうがないことなんですよ。で、考えてもしょうがないことを考えるのって、悪くない時間なんですよ。そんなことを『分離派の夏』を聴きながら思いました。自分でも意外だったけど、そういう時間も必要だったんだなって。
しかし小袋さんが個人的に、自分のためにつくったものを受け取った他人(私)が、またそれぞれ自分の個人的なことを思うって、おもしろいですね。個人的につくったものだから、なんですかね。
でも個人的につくられたものが、すべてそうやって届くわけじゃないし。届く届かないは、好みやタイミングの問題なんですかね。ていうか、そもそも個人的じゃない作品なんてあるんですかね……なーんてことを、今日もつらつらと考えています。
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煙の分際で、を描いたドラマ。『カルテット』と『SR サイタマノラッパー』
http://tsuzura.exblog.jp/27986286/
2018-01-10T15:25:00+09:00
2018-01-10T19:04:12+09:00
2018-01-10T15:25:59+09:00
reiko.tsuzura
音楽
そして2017年とくに印象に残っているのは、やはり『カルテット』。『逃げ恥』でハードルが上がりまくった枠で、あのクオリティ、さすがでございました。しかし最終回は明るさと笑いの中に、けっこう重いテーマが描かれていましたね。カルテットドーナツホールに届いた謎の手紙は、心にずっしりときました。
とくにこの部分。
「みなさんの音楽は、煙突から出た煙のようなものです」
「どうして辞めないんですか? 煙の分際で、続けることに一体何の意味があるんだろう」
別に音楽やってるわけじゃない私ですらグサッとくる……。才能ない人間ががんばって、何の意味があるんですか?って問いは、誰にでも、何にでも当てはまる言葉ですしね……。
私も母親なんで、娘には「好きなことはがんばったほうがいいよ」と言ってるし、これからも言うつもりです。けど、やっぱりどうしたって「才能がない」ことって、ありうると思うんですよ、残念ながら。とくに音楽のような芸術分野においては。ちなみに私は幼少からピアノやってましたけど、小6で「煙の分際」であることに気づきました。そっから3年続けたけどキツかったぁ〜。
カルテットドーナツホールの4人は、それでも音楽を続けていく。なぜ続けていくのか、それも一応描かれていたけど、正直その未来はあまり明るいものとは思えない。ものすごく含みのある最終回、みごとでした。
で、その「煙の分際で」っていう呪いのような言葉が胃のあたりにズシーンときてるところで始まったのが、『SR サイタマノラッパー~マイクの細道~』でした。
SRは、ラッパー3人が川崎クラブチッタという一世一代の晴れ舞台を目指す音楽ドラマ。青森の大間を始点に、東北の食や名所を描くロードムービーでもありました。
このラッパー3人がね、センスも才能も金も運もなくて、やる気しかないんですよ。大間から川崎に向かう道中、曲も作らなきゃいけないのに、ロクなことやんない。で、いちいちケンカしながらイマイチなラップをかます。
なかでも、遠野のカッパ伝説になぞらえた回は最高でした。
池で立ちションしたらカッパに呪われて、呪いを解くためにカッパに女子のパンチラを見せるっていう話。遠野で出会ったラッパーとチームを組んで、カッパを誘い出すために池のほとりでラップを始めるんだけど、最初は嫌々やってた女子2人がだんだんノリノリになってくる。いい感じにダンスしてたらスカートひらー、パンツちらー、すかさずカッパが覗きにきて次第にノリノリ、最後はみんなでプチョヘンザ……って、なにコレ書いててビックリするほどくだらないんですけど! でも、なんか、「同じアホなら踊らにゃ損々」な盛り上がりに思わず熱くなっちゃったんですよね。いろいろ脱ぎ捨ててアホになれる瞬間って、ライヴの醍醐味じゃないですか。そのツボを的確に捉えてた。
HIP HOP寺で修行したり、ディスりあったり、ヤバい人たちに拘束されたりしながら、3人はなんとか最終回でチッタの大舞台に上がります。会場入りするとリアルなラッパーたちが続々出てきて挨拶代わりにラップを仕掛けるんだけど、3人はオロオロするばかりで一言も返せない。そこで「ああコイツら、ほんとに才能ないんだな〜」って見せつけてからの、最初で最後の大舞台。最終回はほぼライヴシーンで占められていて、音楽愛を感じました。
そしてライヴを終えた3人は、それぞれのサエない生活に戻ります。「やっぱラップやろうぜ」も「また集まろうぜ」もない、言葉足らずの解散シーンは胸にしみた。尻すぼみな感じだからこそ濃厚に漂ってましたね、「あ、こいつらやめないな結局」っていうムードが。「煙の分際で、やり続けるんだな」って。
「煙の分際で、続けることに一体何の意味があるんだろう」
っていう問いに答えは出ないけど。まあいいじゃん、いろんなヤツがいていいじゃん。って、畑道をラップしながら帰る主人公を観ながら思いました。またいつか続きが見たいな。
ちなみにこのドラマ、夫婦でハマり、RHYMESTERの「マイクの細道」(オープニング曲)を聴きまくってたら、6歳の娘がサビを完コピしました。
さー、2018年もドラマ観るぞ〜。
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CHAIとCreepy Nutsと子育てと
http://tsuzura.exblog.jp/27657444/
2017-11-11T11:30:00+09:00
2017-11-11T11:30:12+09:00
2017-11-11T11:30:12+09:00
reiko.tsuzura
音楽
「N.E.O」はうちの子も大好き。「ウィー・アー・ソー・キュート!ナイス・フェイス・カモーン・イェー!」って掛け声がチアダンスっぽくて楽しいんだと思います。けど、この曲のメッセージは10年後、JKやってるはずの君を救ってくれるよ!覚えとき!
そこで私が思い出すのは日暮愛葉さんのファーストソロ『Born Beautiful』です。このアルバムに出会ったとき私はハタチ超えてたけど、いろんなものが足りない足りない足りない、あの人もあの人もズルイズルイズルイと焦ってる時期で、そんなときに愛葉さんが「Hey girl you!」って歌いかけてくれたことがどんなに心強かったか。自分の中のややこしい“女子的”な部分にズッキューンときた。
SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERでめちゃくちゃクール、そりゃもうキレキレにクールだった人が、プライベートな歌をやさしく歌ってくれたというのも胸打ち抜かれるポイントでした。そんなんぜったい惚れるでしょ。
念願叶って2年前、愛葉さんに取材したときは思わず「あのっ好きです!」と鼻息荒く言っちゃった。「なにそれ告白?」ってやっぱりクールに笑ってくれました。
CHAIの『PINK』は、そんな高鳴りを思い出します。音が思いっきりオルタナだからっていう共通点もあるけど、それ以上に自分の中の“女子”な部分を肯定して、勇気づけて、解き放ってくれるパワーを感じるんですよね。外野の声なんて全部無視していいよ、楽しくやってるあんたはそのままでかわいいよ、ウィー・アー・ソー・キュート!って。
うちの娘は6歳ですが、もうすでに女子の世界はややこしそう。これからもっと内側も外側もややこしくなる。そんなときに、心のモヤモヤをスコーンと晴らしてくれる音楽に出逢えたらいいなと思います。
そしてもういっちょ、Creepy Nutsのメジャーデビュー作「高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。」が最高すぎてまいってる。
収録曲の「メジャーデビュー指南」も「だがそれでいい」も、言ってみれば自虐ネタ。これまでの人生どんだけ負けてきたか、間違ってきたかっていう話。それでも今は「メジャーデビューできたぜ」っていう勝利の祝杯的ムードがあるけど、そんなの一瞬しか続かないっていうのもよーくわかってる。だからこそ、この空騒ぎなんですよね。人生たった一度の「初デビュー」っていう大ネタをすかさず使いきる、その勝負強さがすごい。
どうせ人生なんて多かれ少なかれ「負け続ける」「間違い続ける」の連続だと思うんですよ。たまーに勝ったり(人によってはモテたり)するけど、そんなの長くは続かない。だからといって負けや間違いを怖がって何もしないってのもつまんない。だから一瞬の勝負にかけてがんばるしかないのかな、と思います。
6歳の世界ですら、跳び箱を何段飛べるかとか、チアダンスの発表会で入賞できるかとか、いろんな勝負が始まってますからね。でもたとえ負けたってしょげるなよ、負けをネタにして逆転するヤツもいるよって教えたい。
ただそれをやるには、「自意識と折り合いを付ける」っていうものすごい壁を乗り越えなきゃいけないけど。でもそれができたら最強ですよね。笑いをまじえて明るく楽しくやれたら最強。
で、そういう瞬間に「そもそも比べるべきモンじゃねえモンにラベル貼られて売られてく Night & day」とかガッツリ韻を踏まれると、めちゃくちゃ気持ちいい。スカッとするね!
最近やっとこうやって、日常を考える脳とポップミュージックを聴く脳がリンクするようになりました(子を産んで5年くらいバッキリ乖離してた)。そうすると音楽聴くの楽しい楽しい。そしてつくづくポップミュージックは子育てネタの宝庫だな、と思います。
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小林麻央さんのブログを読んでいた
http://tsuzura.exblog.jp/27071409/
2017-08-25T18:58:00+09:00
2017-08-25T18:58:16+09:00
2017-08-25T18:58:16+09:00
reiko.tsuzura
つれづれ
小林麻央さんってアナウンサー時代も、結婚してからも、まったく別世界の人って感じでテレビでチラ見するくらいでしたけど。彼女がブログを始めたころに私も人間ドッグの乳ガン検診で要精密検査となり、子どもの年齢も近いし、なんだか人ごとに思えなかったのです。子どもの年齢が近いというだけで急に親近感が湧くのが母親の共感力ってやつ(ムダに高くなる)。
病気の発覚から綴られていく内容に、「授乳中に発覚したのか……そんなの見つけられなくて当然だ……授乳中は乳が詰まってガチンガチンだったもんな……」とか、いちいちリアルに感じてました。私の場合は精密検査で細胞診をした結果良性で、今は半年に一度の検診を受けてます。少しはホッとしたけど「ああよかった」と安心はできない。生涯のうちに乳がんになる女性の割合は、14人に1人。自分がいつなってもおかしくないんですよね。
しかし要精密検査の用紙を受け取ったときの自分の取り乱しっぷりといったら。頭真っ白になりましたね。それをふまえて麻央さんのブログを読むと、本当にすごいの一言です。主治医の「癌の陰に隠れないで」という言葉でブログを始めたとありましたが、病気が発覚したときの経緯、後悔、葛藤、弱っていく姿まで事細かにさらけ出してる。自分にそれができるか?って考えたら、到底できそうもない。
もちろん麻央さんは元アナウンサーであり、タレントであり、人前に出て何かを発信する人でもある。生きる環境が全然違うと言うばそうだけど、それを差し引いても、やっぱり自分にはできないんじゃないかと思います。
そう思ったときに、自分のできることを考えました。私は取り乱してからだと、たぶん何もできない。だったら今のうちに残せるものを残しておこうと、このブログやSNSのことを考えました。
当然ながら私が子どものころは、親の書き込みをネットで見るなんてありえないことで。だから親が個人的に何を考えてるかを知る手段なんて、ほとんどなかったわけです。親はただ、親として絶対的な存在感を放ってた。でも今はみんなSNSとかやってますよね。普段は会えない学生時代の友だちとかが同じように母ちゃん業やってて、「おっ、ついに卒乳か~」とか「へー夏休み沖縄行ったんだ-」とか近況を知れるのは、なかなかいいものです。
お母さんたちはやっぱり子どもネタが多いけど、何気なく書いたものでも、人の文章って不思議と、リアルに会って話すときとはまた違うキャラクターが見えるもの。書くのって話すときより内容を吟味できるから、こうなりたい自分とか、こうありたい自分とか、見栄とか本音とか、けっこう漏れちゃうものだと思う(そこに意識的な人も、意識的じゃない人も)。
それで、子どもがちょっと大きくなって、お母さんのそういう面をブログやSNSを辿って見れたら、おもしろいと思いませんか。「えー嫌だ!」って思う人もいるかもしれないけど、私は読んでほしいなあ。それで「あー親もただの人だなー」とか思ってくれたらいいな。「毎年夏になるとフジロックフジロック騒いでんなー」とか「好きなバンドの再結成ですごい取り乱してんなー」とか(笑)。
まあ、親の書き込みを本当に子が読むのか、はたしてそれはいいことなのかどうかは、おいといて。最近の私は、もし子が読むならこれを残しておきたいなっていう視点が、ブログやSNSを書くときに加わりました。そうすると、こんなことわざわざ書かなくても…って思ってたことを書く気になったり、あんまりカッコつけててもアカンなと思ったりして、楽しい。
そして、ずっとブログを放置してた私のような人の意識も変えた小林麻央さんは、すごい人だなと思います。]]>
島根の夏2017
http://tsuzura.exblog.jp/27067906/
2017-08-23T23:25:00+09:00
2017-08-23T23:25:54+09:00
2017-08-23T23:25:54+09:00
reiko.tsuzura
つれづれ
子にとっては、ひいおじいちゃんち。
もう4度目だし、冬にも来たので勝手知ったるって感じです。
お盆の東京はジメジメした肌寒い日が続いていたけど、島根は夏真っ盛り。
初日は米子空港に昼に到着して、寿司食べて、弓ヶ浜海岸で海を見て、近くの公園や神社を巡りつつ、百均で虫取り用の網やカゴ、浮き輪などを調達し、おじいちゃんちへ向かいました。 ↑米子といえば水木しげる先生。
おじいちゃんちに着いたらさっそく近くの田んぼへ虫獲りに。水田はカエルだらけで、ヘビも泳いでました。
この日から晩と朝ごはんは、ひいおじいちゃんの野菜と地の魚を食べまくり(作るのは私の母)。
夜は安来節の全国大会があるというので、おじちゃん(母の弟)に車を出してもらって観に行きました。安来節大会は終わってたけど、地元の神輿がそろい踏みでみごとでした。
2日目はおじいちゃんの畑でスイカやトマトを収穫し、朝から食べまくり(蚊にも刺されまくり)。お腹タプタプ状態で松江の海に向かいました。初めて行った野波海岸は、駐車場無料だけど、海の家どころか自販機すら周囲にない。金曜なので人もほとんどいない。そして海が青い! 車で1時間ほどでこんな海水浴できるの、めちゃめちゃ贅沢だなと思いました。
海に入ってまわりを見渡すと、山々の上を鳥が優雅に飛んでて、いい眺め。これがまた沖縄とかバカンスで観る風景とは違って、いかにも日本海って感じなんですよね。帰りは松江のカフェと宍道湖に寄って、夕陽を眺めてきました。そしてごはんを食べ、ダンナさんは地の酒を飲み、庭で花火しました。
3日目は大山へ。開山1300年記念で謎解き宝探しゲームをやっていたので挑戦したんですが、なかなかに広範囲に宝箱が置かれていて、ひたすら山歩き。しかも石でゴツゴツの道が続くので、めっちゃ足が疲れる。「これ、やんなくてもよくない…」という私に、やる気満々の子とダンナさん。「せめて地ビールを当てたい……」と煩悩まみれで神社巡りしてました。
足が棒になったところで、大山まきばみるくの里でランチ。そして天空リフトに乗って、大山の上へ。すっごい高いところで見晴らし最高!と思ったけど、下山して観ると、まだまだ裾野のほうでした。大山登山はちょっとムリかもー。
4日目は、また野波海岸へ。日曜なので地元の人が多少いました。若者たちがBBQからのー、海ザブーン!って感じで青春してた。しかし近くにいた女の子がクラゲに刺され、よーく見ると、クラゲがふよふよ浮いてることがわかりました。ビビる子は浜辺遊びに没頭(2年前、島根の海で刺された)。しかしクラゲを探すうち、小さい魚も発見。すかさずゼリーの空き容器でキャッチ! そのうち暑さにやられて、クラゲに脅えながらもまた海へ。なんとか刺されずにすみました。
地元の人は3分200円のシャワーも使わずに水道でじゃぶじゃぶ体を洗って帰るので、それを見習って水道シャワーですませ、結果この海水浴場で使ったお金は0円。いいんでしょうか本当に……。
へとへとになって帰って、夜はまた庭で花火。東京じゃ公園でもできないので、ここぞとばかりに毎日花火。最後の夜なので、おばあちゃん(私の母)が打ち上げ花火を買ってきて、やってみたら思いのほか派手な花火で。「やべー火事になる!」と思い、もうひとつの打ち上げ花火は田んぼの真ん中でやりました。
空を見ると綺麗な星空。しかしおじちゃんが「山の上はこんなもんじゃないけどなー」と言い、山までドライブで連れてってくれることに。ウトウトする子を起こしながら真っ暗な山の上につくと、天の川がブワーーッと広がってました。あんなプラネタリウムみたいな星空は初めて見た。星が多すぎて怖いくらいでした。
5日目はおじいちゃんの野菜を箱に詰めてコンビニで東京へ送り、米子空港へ。その途中、大山にある森の国というフィールドアスレチックに寄りました。これが広大で、大規模な遊具が揃っていて、とても数時間では遊びきれない。森の中へ分け入るアドベンチャーコースは1時間くらいかかるというので、次回また来ようと思いました。レストランもあるし、1日がかりで遊ぶところですね、ここは。
そんな感じで島根を満喫した夏。子(虫獲りにハマってる)とダンナさん(虫・星・神社・遺跡すべてが好物)は不思議なほど馴染んでる。私は当然子どものころから来てるんですが、こんなに島根を楽しんではいなかったなーと思います。ボットン便所にドン引いたり、庭にいる牛にビビったり、屋根裏を走るネズミに震えたりしてた。築100年以上の家なので、ネズミは今も健在(?)。ゴキブリホイホイならぬネズミホイホイがそこらにある。ネズミがつかまると一晩中チューチュー言うんだそうです。おじさん曰く「そうやって2、3日ほっとくと、仲間を呼んでいっぱい捕れるんだわ~」。ヒィィィ……
もちろん楽しい思い出もたくさんあって、年の近い親戚と遊んだことや、家の前の水路でホタルを見たこと(今は水路がふさがれて、もういない)は覚えてます。あと安来節大会も観に行ったことがあるそうです。「へー、全国大会とかあるんだー」って言ったら、母とおじさんに「あんたは観たわ~!」って言われましたが、全然覚えてない。そんなふうに、うちの子もいつか島根の日々を忘れちゃうんでしょう。でもまあ親が覚えてるなら、それでよし。
島根から東京へ戻り、親はまだ疲れ気味。子は1日だけ保育園に行って、今日から元気にチアダンスの合宿へ向かいました。夏の子どもは大忙しです。]]>
「『嫌だ』って、喋りたいんだよ!」と言った豊子ちゃん。 6月2日の『ひよっこ』
http://tsuzura.exblog.jp/26945412/
2017-06-23T17:06:00+09:00
2017-06-23T17:06:30+09:00
2017-06-23T17:06:30+09:00
reiko.tsuzura
つれづれ
1964年、東京オリンピックの話題から始まったのでオリンピック礼賛みたいな話だったら嫌だなあと思ってたけど、劇中のオリンピックはやけにサラッと終わったし、それどころかオリンピック景気の煽りを受けて不況がやってきた。
そのせいでヒロイン・みね子が務めていた工場がつぶれることになり、寮で仲よく暮らしていた女子たちが別れてしまうことになったんですね。
かなり前の放送になるんですが、そのくだりでどうしても忘れられないシーンがあったので、書いておこうと思います。
それは6月2日の放送回。みね子たちが務めた工場がラインを止め、備品が運び出されてしまう日。その作業をみね子たち作業員がせつなく見守っていたところ、豊子という少女が突然工場にひとり立てこもるのです。
田舎から寄り集まって、いろいろあったけど仲よくなった乙女たち、優等生で冷静で皮肉やの豊子がそんなことするもんだから騒然となる。「こんなことしたって、なんにもならねえってわかってる!」と言う豊子。「じゃあどうして」と聞かれて、こう言った。
「喋りたいんだよ、『嫌だ』って、喋りたいんだよ!」
ジーーーンときましたね。「『嫌だ』って、喋りたいんだよ!」、なんていいセリフなんだと思いました。
みね子たちはそれぞれ家庭の都合で、ふるさとを離れて東京へやってきた。豊子なんて中学卒業したばっかですよ。高校に行きたかったけど、働かざるを得なかった。だけど全部のみこんで上京して、東京で新しい生活を切り拓いて、仲間もできた。だけど今度はその場所が消えてしまう。
そういうことって、人生でたくさんありますよね。せっかく最高の友だち関係を築いたのに卒業の日がくるとか。仕事仲間に恵まれて毎日充実してたのに、突然クライアントに終了宣言されるとか(←私フリーランスなんで、こういうのあるある)。
それから豊子は、こう言いました。
「意味がないかもしれない。バカだって思うかもしれない。時間の無駄だと思うかもしれない。でもオラは嫌だ。こったの嫌だ!!」
豊子ちゃん、エモい!
確かに、嫌なこと「嫌だ」って言うのは、バカみたいだし、無駄かもしれない。ひとりで盛り上がっちゃって、建設的じゃないし、人に迷惑かけるかも。
でも、だからどうしたって話ですよ。嫌なことを「『嫌だ』って、喋りたいんだよ!」って叫んだ豊子ちゃん、めちゃくちゃかわいかったもん。
これを私、ちゃんと子どもに教えようって思いました。
本当に嫌なとき、いや嫌なときだけじゃなくて、本当に怒ってるとき、楽しいとき、泣きたいとき、何かを好きだと思ったとき、なくしたくないと思ったとき、言っちゃえばいいよ、言ったほうが誰かに伝わって、おもしろいことになるよって。
…といっても人生、伝わらないことのほうが多いと思います。「あいつうるせえな」と思われて、白けた目で見られて、残念なことになるケースもいっぱいある。そうやって誰もが、ある程度我慢したり、空気を読む訓練を重ねていくんですよね。それもまあ大事なこと、ですが。
でも、そればっか気にして、「誰かに伝わったら超おもしろかったのに」っていうシーンを逃しちゃうのは、断然もったいないよね。と、顔真っ赤にして叫ぶ豊子ちゃんと、「バカバカ、バカなことして!」と泣き笑う仲間たちの姿を見て思いました。乙女たちのすったもんだに業を煮やしていた引き取り業者の男性陣が、最後に帽子を取って礼を尽くすシーンもすごくよかった。
その後、この回はみね子のモノローグで終わります。
「いつかみんなで笑い話にしてやろう、何度でも笑い話にしてやろうと思いました」
伝えることって意外と無駄じゃないよ、伝わることもあるんだよ。ってことを、こんなにも素敵に描いた15分。しばらく録画リストから消せそうにないし、何度観ても感動します。
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Theピーズ好きな人、だいたい友だち(になれる気がする)
http://tsuzura.exblog.jp/26912939/
2017-06-09T10:36:00+09:00
2017-06-19T13:43:58+09:00
2017-06-09T10:36:11+09:00
reiko.tsuzura
音楽
Theピーズの日本武道館チケットが売り切れたそうですね。
昨日の朝、ごはんを食べながら「明日どうかなあ、2階席ぜんぶシート張ってあったら悲しいなあ」とかいらぬ心配してたんですけど。あーうれしい。
Theピーズはもう長いこと好きなバンドです。
コアなファンも多いんで私はそれほど熱心なファンとは言えませんが、心の奥底で好き。
昔から私の中で「Theピーズファンとは、だいたい友だちになれる」っていうジンクスがあるんですよね。いいトシして何言ってんだって感じですけど、これ、あながちハズしてないんじゃないかと思うんですよ。
ライヴに向けていろいろ聴いてるんですけど、やっぱり、はるさんの歌って、しみじみやさしいんですよね。
やさしいにも色々あって、私は別にやさしい人間じゃないと自分で思うし、そもそも「やさしい」ってなんか道徳くさくて、あんまり好きな言葉じゃない。
でもTheピーズの歌はやさしいなあと思う。私の中のやさしいって、こういうことだなあと思う。そんで、Theピーズを好きな人って、ちょっと近いことを感じてるんじゃないかなって。
だからTheピーズ好きな人、だいたい友だち(になれる気がする)。
「グライダー」とか、赤子(0~3歳くらいまで)を育てていたころの自分に贈ってあげたい。
燃料タンク 地図 ナビゲーター
ハナから無いよ しまいまで
ハタから見りゃ そらのんびり
でもとっくにギリギリなんだ
もうみんなグライダー
赤子の子育て、まさにそんな感じだったなあ。体力的にも精神的にも燃料足りてない感じで、手引き書もアドバイスもたいして役に立たないし、明日はどっちだ!?って毎日混乱してた。まあ、今は今でいろいろありますけど。
ただ、この曲を赤子を一心不乱に育ててたころに聴いても、今ほど響かなかっただろうなあと思います。今、子どもが5歳で、少しは振り返る余裕が出てきたから、染みるんだと思う。「グライダー」はちょっと黄昏れた曲だからね。
そういえば「グライダー」が入ってるアルバム『Theピーズ』(2003年)の翌年に、『アンチグライダー』っていうアルバムを出したときも、グッときました。『アンチグライダー』は「グライダー?なんだっけソレ?」って感じのウルセー曲ばっかで笑った。
私の中のやさしいって、こういうこと。「やさしいねえ」と言ったら「なんのこと?」って空とぼけて、ついでにしょーもないこと言って場を濁す感じがめちゃめちゃ好き。
「やさしい」をそのくらいデリケートに、シャイに、こっそりやってくれたら惚れちゃうよね。このニュアンス、わかってくれたらだいたい友だち。
今日の武道館には8000人くらい、だいたい友だち(になれる気がする)が集まってるんじゃないかと想像すると、なんかとっても楽しみです。
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