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「N.E.O」はうちの子も大好き。「ウィー・アー・ソー・キュート!ナイス・フェイス・カモーン・イェー!」って掛け声がチアダンスっぽくて楽しいんだと思います。けど、この曲のメッセージは10年後、JKやってるはずの君を救ってくれるよ!覚えとき! そこで私が思い出すのは日暮愛葉さんのファーストソロ『Born Beautiful』です。このアルバムに出会ったとき私はハタチ超えてたけど、いろんなものが足りない足りない足りない、あの人もあの人もズルイズルイズルイと焦ってる時期で、そんなときに愛葉さんが「Hey girl you!」って歌いかけてくれたことがどんなに心強かったか。自分の中のややこしい“女子的”な部分にズッキューンときた。 SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERでめちゃくちゃクール、そりゃもうキレキレにクールだった人が、プライベートな歌をやさしく歌ってくれたというのも胸打ち抜かれるポイントでした。そんなんぜったい惚れるでしょ。 念願叶って2年前、愛葉さんに取材したときは思わず「あのっ好きです!」と鼻息荒く言っちゃった。「なにそれ告白?」ってやっぱりクールに笑ってくれました。 CHAIの『PINK』は、そんな高鳴りを思い出します。音が思いっきりオルタナだからっていう共通点もあるけど、それ以上に自分の中の“女子”な部分を肯定して、勇気づけて、解き放ってくれるパワーを感じるんですよね。外野の声なんて全部無視していいよ、楽しくやってるあんたはそのままでかわいいよ、ウィー・アー・ソー・キュート!って。 うちの娘は6歳ですが、もうすでに女子の世界はややこしそう。これからもっと内側も外側もややこしくなる。そんなときに、心のモヤモヤをスコーンと晴らしてくれる音楽に出逢えたらいいなと思います。 そしてもういっちょ、Creepy Nutsのメジャーデビュー作「高校デビュー、大学デビュー、全部失敗したけどメジャーデビュー。」が最高すぎてまいってる。 収録曲の「メジャーデビュー指南」も「だがそれでいい」も、言ってみれば自虐ネタ。これまでの人生どんだけ負けてきたか、間違ってきたかっていう話。それでも今は「メジャーデビューできたぜ」っていう勝利の祝杯的ムードがあるけど、そんなの一瞬しか続かないっていうのもよーくわかってる。だからこそ、この空騒ぎなんですよね。人生たった一度の「初デビュー」っていう大ネタをすかさず使いきる、その勝負強さがすごい。 どうせ人生なんて多かれ少なかれ「負け続ける」「間違い続ける」の連続だと思うんですよ。たまーに勝ったり(人によってはモテたり)するけど、そんなの長くは続かない。だからといって負けや間違いを怖がって何もしないってのもつまんない。だから一瞬の勝負にかけてがんばるしかないのかな、と思います。 6歳の世界ですら、跳び箱を何段飛べるかとか、チアダンスの発表会で入賞できるかとか、いろんな勝負が始まってますからね。でもたとえ負けたってしょげるなよ、負けをネタにして逆転するヤツもいるよって教えたい。 ただそれをやるには、「自意識と折り合いを付ける」っていうものすごい壁を乗り越えなきゃいけないけど。でもそれができたら最強ですよね。笑いをまじえて明るく楽しくやれたら最強。 で、そういう瞬間に「そもそも比べるべきモンじゃねえモンにラベル貼られて売られてく Night & day」とかガッツリ韻を踏まれると、めちゃくちゃ気持ちいい。スカッとするね! 最近やっとこうやって、日常を考える脳とポップミュージックを聴く脳がリンクするようになりました(子を産んで5年くらいバッキリ乖離してた)。そうすると音楽聴くの楽しい楽しい。そしてつくづくポップミュージックは子育てネタの宝庫だな、と思います。
by reiko.tsuzura
| 2017-11-11 11:30
| 音楽
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