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早いもんで、赤子が生まれてそろそろ半年になります。 というわけで、ぼちぼち出産のことでも書いておこうかなと思います。 結婚は紙一枚のことで正直なんの実感もなかったんですが、 出産はなかなか劇的な経験でした。 私のお産は陣痛ではなく、朝9時半の破水から始まりました。 あれってほんとに腹の中で「ふつっ」と何か切れた音がすんのね。 すぐにダンナさんの運転する車に乗って、10時過ぎには分娩台の上へ。 私は痛くもなんともないので、余裕こいてたところ、 「アラ子宮口開いてるわ、お産始まるわー」と助産師さん。 そのまま本番へ突入となりました。 しかーし、しばらく経ったところで赤子の心拍数が急激に下がり、事態は急変。 先生が「切らなきゃダメだ!」と叫び、「え、マジで?」とか思ってるうちに あれよあれよと手術セットみたいのが運ばれてきて空気ピリピリ。 助産師さんたちも集結して、救急病棟24時みたいな空気に。 鬼の形相した先生に「帝王切開するから!!」と言われ、 「えっ腹切る準備できてねー!」とも言えず、とりあえずうなずく私。 ダンナさんも呼び出された瞬間に 「緊急時はご主人の了解取らずに手術するから!」と宣言され、 「あ、はい」と返事したとたんに分娩室から追い出される。 まるでドラマのような緊迫感に包まれ、まさにまな板の鯉状態。 「なんてこった、どうしよう」と頭パニックではあるんだけど、 それ以上に先生の迫力がすごくて取り乱すヒマはなかったですね。 急ピッチで手術の準備が進むうちに子の心拍が戻り、 「通常分娩で大丈夫かも」という流れになったんですが、 これ、この日一番の恐怖体験でした。 そのあと事態は落ち着き、陣痛が始まったところで麻酔の処置。 痛みがすーっと取れて「ビバ無痛分娩!」と実感。 立ち会いのダンナさんと「さっきの痛みがずっと続くなんて無理だわームリムリだわー」と雑談する余裕も。 そうこうしてるうちに子が下りてきたので、そろそろいきみましょうということに。 でも途中で引っかかってなかなか出てこない。 そんで麻酔が効れそうになると、それなりに痛い。 このとき頭の中で鳴り響いてたのは、なぜか電気グルーヴの「富士山」でした。 高いぞ高いぞふっじっさーん!といきんでたら、ここでまた問題発生。 私の血圧がポポポポーンと上昇し、血圧を測る機械がさかんに警告音を連発。 またもや空気がピリピリして、助産師さんに 「もういきんじゃダメ、頭の血管切れちゃうから!」と言われ、 またもや「え、マジで?」。 世間では「私はどうなっても……この子だけは!」って心境になるって話、 よく聞くじゃないですか。 自分もそんな神聖な気持ちになるのかしらーと思ってたけど、 このとき私の頭の中は「死ぬの困る!死ぬの困るわ~~!」でした。 まあ子の心拍が安定してたっていうのもあるんだけど、 33年培った人間性はそんな劇的に変わるもんじゃないなと思ったりしてました。 (続く)
by reiko.tsuzura
| 2012-01-26 19:01
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