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氷室冴子を巡る自分内少女小説リバイバル・ブームの続き。 氷室さんのHPを検索してもヒットしないので、 今現在の活動状況がいまいちわかりませんが、 雑誌『コバルト』はまだあった! けど、おお、挿絵がアニメテイストで、かなり路線が変わってる……。 昔はコバルトと言えば、ちょっとお姉さん向けのレーベルだったんです。 少女とSFを繋げた新井素子、少女と古典文学を繋げた氷室冴子を筆頭に、 なんとなくアナーキーな存在だった「丘ミキ」シリーズの久美沙織、 当時から西洋歴史ものシリーズをわんさか出してた藤本ひとみ、 コバルトの黒一点(?)、「放課後」シリーズの日向章一郎。 (赤川次郎もいたけど、この人は「コバルトの人」じゃなく「角川の人」。 その点、新井素子はどこで活躍しようと私の中では「コバルトの人」) 今も覚えてるのはそのくらい。うーん、意外に覚えてないなあ。 何しろ当時は、さらに対象年齢を低くした 講談社X文庫“ティーンズハート”の勢いがすごかったんです。 3つの名前を駆使して新刊を出しまくってた花井愛子、 まさに一世を風靡した、しかもなぜかCDまで出してた折原みと、 不倫とヘアヌードで乙女の夢を打ち砕いた「とんポリ」シリーズの林葉直子、 少女版大河小説「風を道しるべに…」シリーズの倉橋耀子。 Wikipediaで見ると、今や「十二国記」で大ブレイクした小野不由美、 津原泰水名義で活躍中の津原やすみまでいる。へ~え。 ちなみに「氷室冴子」を検索してたら、 コバルトの魅力をめちゃめちゃわかりやすく、しかもおもしろく解説した文章がヒット。 元を辿っていったら、久美沙織さんのテキストでした。 そりゃーおもしろいはずだ。 ここです。久美沙織『創世記』。 どうやらこの文章、「このライトノベルがすごい!」というサイト内に掲載されていた模様。 なるほどー、あの頃の「少女小説」は「ライトノベル」の流れに組み込まれてるのねー。 と思いきや、 第14回 「嗚呼憧れのハードカバー」 番外編 妹尾ゆふ子 「ライトノベル」という名称の誕生について 第15回 「“ライトノベル”ってなんなのさ?」 のあたりがおもしろすぎて、一気に読みました。 ライトノベルとは→小説とは→そもそも読み物とは……と 話が豪快にデカくなっていきますが、 久美さんは本や作家のジャンル分けの話以前に、 「書き手の心構え」を率直に語ってるという感じ。 しかしライトノベルの定義については「勢いで書いた」とのことで、 相当波紋を呼んだのか、下段に長い断り書き(言い訳)があります。 (でも「スルリと漏らしてしまったホンネもあり」という一文がホントのホンネと思う) ちなみにこのテキスト、本にもなってる様子。 大幅に編集されてるのかな? 読んでみよう。 『コバルト風雲録』久美沙織 しかし「ライトノベル」の定義って、難しいもんなんですねー。 私にとっての「ライトノベル」っていうのは、そうだなあ……… (と考えながら、まだ続く)
by reiko.tsuzura
| 2007-04-22 20:12
| 本
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