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3月31日、中野サンプラザで『ドレスコーズ 志磨遼平「IDIOT TOUR 2020」.-TOKYO IDIOT-』。めちゃくちゃ楽しかった〜! 幕が開いて音が出た瞬間、泣けましたね。なんの涙なのか自分でもよくわからないけど、まるまる2曲分泣いてた。自分が思う以上に自粛疲れがたまってたのか、もうライヴ行けないかもという不安が薄れてホッとしたのか、単純にいい音〜これこれ〜!と思ったのか。私だけじゃなく、まわりの人も同じような感じでした。おかげで頭2曲の記憶があんまりない。マリーズメジャーデビュー作からのおいしい選曲だったのに! 今回は志磨遼平デビュー10周年ということで(1年延びたけど)、毛皮のマリーズ〜ドレスコーズでやった10年分の曲を、いろんなミュージシャンが入れ替わり立ち替わり演奏するスタイル。豪華でしたねー。BAWDIESにおとぎ話、ウエノコウジさんに有島コレスケさんに、竹中直人さんまで出てきた(「みずいろ」をムンムンのムード歌謡調に歌った)。志磨さんが歴代組んで別れたバンドメンバーが同じ舞台に立つ光景は、元カレたちが一緒にキッチンに立ってる(?)みたいな感じでムズムズするんだけど、それをできちゃうのが志磨さんなんだなあと。志磨さんが幕間に読んだ詩の中で「150人のミュージシャンと30のバンドを組んだ」と言ってたけど、アレもコレも作って壊してやりたい放題で、それでも周囲に愛されてるのって、ほんとに生粋の人たらしなんだと思います。 とにかく人数が多いしセットも変わるので、転換に時間がかかる。その転換の間に志磨さんやバンドメンバーが10年の思い出話をしたりして、この時間も生ライヴだな〜って懐かしく思いました。あとやっぱり音ね。音だよね。子育てに追われて、ひとりになってからのドレスコーズの生ライヴを全部見逃してるので、10年を一気に辿るような構成はすごくありがたかったです。おとぎ話の牛尾健太さん、めっちゃいい音出すなあ。「メロウゴールド」のギターソロ染みたわ〜!こうして生を一発聴いてから改めて音源を聴き返すと、急に色が付いた感じに聞こえるのが不思議。 本編ラストは出演者全員を舞台に上げて賑やかに終わって、アンコールはアコギ1本で「ピーター・アイヴァース」。去年タワレコでやった10周年ポスター「ドレスコーズは、バンドである。ドレスコーズは、みなひとりである。」にあわせた演出ですね。スポットライトを浴びてひとり歌う志磨さんの後ろで、たくさんのスタッフが静かに機材を撤収していきました。以前なら粋な演出だね〜と思って終わりだったかもしれないけど、コロナの今はさらに感じるものがあって。暗い舞台で黙々と手早く撤収していくスタッフたちのムダのない動き、最後の1人がケーブルをクルクルまとめて引き上げて、歌う志磨さんをポツンと1人舞台に残すタイミングまで完璧で感動しました。なにしろパーカッション/ドラムセットが3つあって、ものすごい機材の量だったんだから! やっぱライヴってたくさんの人に支えられてできるもの。ライトも音響も人の誘導も、会場手配や出演者のスケジューリングとか、たくさんの人がいろんな場面を支えてこのステージはできてるんだよなって思いました。そこまで意図した演出だったのかはわからないけど、これはコロナの今こそ感じることだったと思う。最後にバミリのテープ跡が無数に残って、花が散ったみたいでした。 志磨さんたちがこの10年の思い出話をしてたので、私も思い出話をひとつ。10年前の冬のこと。妊娠初期だった私は毛皮のマリーズのライヴに行って、アンコール直前に出血→切迫流産で2週間の絶対安静になったのでした。いや、妊娠がわかったときに先生に「どう過ごせばいいですか」って聞いたら「いつも通りでいいよ」って言われたんですよね。ライヴに行くのが私のいつも通りだったもんで…。あのとき豆つぶみたいな子が腹の中でふんばってくれなかったら今の9歳さんはいなかったわけで、ほんとに人生は紙一重。今日にたどり着けてよかった、と思う1日でした。
by reiko.tsuzura
| 2021-04-01 11:10
| 音楽
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